2023年4月1日に院長を拝命いたしました。それまでの1年間は、黒須治一理事長、加藤敏前院長(現名誉院長)の下で副院長として勤務していました。その前は自治医科大学に30年奉職し、精神医学講座と子どもの心の診療科で診療や教育、研究を行いました。精神科では精神科疾患全般を、子どもの心の診療科では主に神経発達症や摂食障害を対象に、子どもから高齢者までの幅広い患者さんを診療する機会に恵まれたわけです。今後とも、これまでの臨床歴を役立てて、地域精神医療に貢献したいと考えています。
当院は入院病棟が精神科病棟2棟、療養病棟2棟(計197床)から成り、緊急性の高い患者さんも積極的に受け入れています。外来診療は予約制ですが、月曜から土曜まで毎日行っています。患者さんに身体的な問題がある場合は、必要に応じて小金井中央病院、新小山市民病院、石橋総合病院などの連携病院に紹介し、高度な検査、医療をお願いしています。当院は地域移行や社会復帰にも重点を置いていますので、多数の精神保健福祉士、作業療法士が、熟練の看護師とともにディケア、作業療法、訪問看護(アウトリーチ)などを積極的に行っています。また、小山市、真岡市、宇都宮市等に工場を持つ日本の代表的な企業とも連携し、職場のメンタルヘルスにも貢献しています。
当院の大きな利点は、自治医科大学精神医学講座の最も重要な関連病院の一つであるということです。しかも附属病院精神科とは車で5分の至近距離にあります。同科との連携は密で、それぞれの病棟の特性に合わせて、患者さんの相互紹介が頻繁に行われています。常勤医も同講座の出身者で占められ、非常勤医も同様です。さらには、同大学の医学生や看護学生の臨床実習も引き受けています。
こうした当院の特性を生かしながら、思春期から老年期の精神不調全般に対し、きめ細かな病態把握と治療ならびに地域連携を行っていく所存です。
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